葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
これは素晴らしい作品・・・
以下、ネタバレを含んだ感想となります!
騙されました!
将虎がまさかおじいちゃんだったとは・・・
しかも安さんに成りすまして年金の不正受給を行い、安さんの娘さんに仕送りをしていた・・・・?
さらにさくらさんは偽名で本名は節子さん・・・
驚きの連続です!
あと将虎がやくざをやっていたのは20歳くらいまでだとは書いてありましたが、それが何十年も前の話とは・・・
将虎はてっきり30~40代かと・・・
これが先入観ですか・・・
すっかり騙されてかなり楽しめました!
ハラハラする場面もたくさんありました!
蓬莱倶楽部の体験会に参加して携帯からデータを盗み取るシーンは特にドキドキしました!
このスリリングな展開がとても魅力的だと思いました!
引き込まれる文章とはこういうことを言うのですね!
とても素晴らしい作品ですが、これは小説だから騙せることであって、映像化には向かないのかも?
だから映画やドラマになっていないのかな・・・
映像で見たら将虎がおじいちゃんで、さくらさんがおばあちゃんで古屋櫛子と同一人物だってすぐ気づけちゃいますもんね?
ふーむ、これをどうにか映像化できないものでしょうか・・・
そういえば、後日談が気になります!
将虎はきっと出頭するでしょうから、さくらさんと蓬莱倶楽部のやってきたことも明るみに出ますよね?
借金のかたに色々させられていたのは情状酌量の余地があるのかな?
執行猶予つきになればワンチャンこのまま将虎と一緒に余生を過ごせる?
そうだといいな・・・
最後はすごいいい雰囲気でしたし、ぜひ一緒になってほしいですね!
あと蓬莱倶楽部はどうなるかな?
災害とかない限りワイドショーの話題をさらいそうですね!
将虎が蓬莱倶楽部の事務所から脱出するシーンはすごいかっこよかったです!
脱いだらすごい!
読み終わった後だからわかることですが、相手が70のおじいちゃんだったらやっぱり油断しちゃうと思います・・・
400ページちょっとの本でしたが、スラスラ読めました!
それほどまでに熱中できる作品です!
歌野さんのほかの作品も読んでみようかな・・・