未来
湊かなえ
面白かったです…!
湊かなえさんの作品はいつも面白いです!
ちょっと設定がエグいような気もしますが、それが湊かなえさんらしいような気もします!
表紙もいい感じで、卒業アルバムの表紙みたいなデザインと質感が魅力的です!
以下、ネタバレを含みます!
最終的にはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか微妙でした…!
世間的には放火をしているのでバッドエンド?
でも、本人たちは吹っ切れたように見えましたのでハッピーエンド?
話の大筋は章子視点で語られて、補完するような形で亜里沙、篠宮先生、パパの視点から語られるような
話の流れが好きです!
あ、でもママ視点からも何か語ってもらえたら嬉しかったかも…!
大まかな情報を与えて残りを小出しにしていく方式でちょっとワンピースを思い出しました!
「序章」は何のことだかよくわからず読んでおりましたが、
読み返してみると時間軸的に終章の数時間前だと分かりますね!
「章子」で最初は漢字で書いた方が良さそうなところもひらがなになっておりましたので、
あれっとなりましたが、小学4年生の章子が20年後の章子に対して書いている手紙なので
まだ習っていない漢字はひらがななのかなと思いました!
そういう描写は結構リアルでいいと思いました!
展開は時間が進むにつれて状態が悪くなっていったのでだいぶハラハラしました…!
もしかしたら林先生とママがくっついたらハッピーエンドで終わったのかもしれない…
ん、20年後の章子から届いた手紙でも一部ひらがなだったのはその当時担任だった篠宮先生が書いたから…?
20年後だとその当時にどの漢字を習ったのかきっと覚えてないですよね…?
そんなところにもこだわりが…!
「エピソードⅠ」は亜里沙視点でした!
章子視点だと須山さんがそんなに悪い人だとは思っておりませんでしたが、
亜里沙視点だとかなり悪い人に見えます…
智恵理ちゃんが放火した理由も判明しますし、その点ではちょっとスッキリ!
でも、亜里沙が一番救われないような気がしました…
「エピソードⅡ」は篠宮先生視点!
篠宮先生もなかなか辛い…
章子視点の時には少し出てきた程度でしたので、そんなに重要視していなかったのですが、
章子と亜里沙に手紙を書いたのは篠宮先生と判明して驚きました!
最終的には原田君と寄りを戻したようでよかったです!
「エピソードⅢ」はパパこと樋口良太視点ですね!
かなりまじめな方のようで正義感も強い! さらには成績優秀ときている! さすが章子のパパ!
話の中に将来章子のママになりそうな森本真珠という人物が出てきますが、苗字が違うので「??」となっておりましたが、
駆け落ち後に事件のことを悟られづらくするために名前を変えていたのかな…? それって可能なの…?
最後の方で真珠が良太に対して暴言を吐いたのはちょっとびっくりしたのと、キャラに合わないので思わず笑ってしまいました…!
「終章」は章子視点に戻って放火時の様子が描写されていますね!
ママは結局死んでしまったのでしょうか…?
いや、パパの時と一緒ならママは生きて自分が放火したと主張するはず! そう信じたい!
かなり楽しんでハラハラしながら読めました!
いい作品! 次回作も是非読んでみたいと思います!
■帯の紹介
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ある日、突然届いた一通の手紙。送り主は未来の自分だという……。
『告白』から10年
湊ワールドの集大成!
待望の描きおろしミステリー
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いい帯ですよね…!
未来からの手紙と言われたら、とても気になりますよね!